数学U 円の方程式(2) 日時:平成13年6月20日(水)3校時
(ねらい) x,yの2次式が円を表すことを確認する。円の方程式を平方形に変形する。円を表す条件を考える。 対象:高校2年A組(文系)場所:コンピュータ教室 

使用ソフト:Grapes 形態:各自操作

(授業計画) 円の方程式(平方形)を学習したあと,円の方程式の一般形の学習で本授業を行った。 

1・2時間目 円の方程式(平方形) 

3時間目 円の方程式(一般形)(本時)

 
時間 授業内容・活動 留意点
25分 ・ワークシートを配付し,Grapesを起動させる。 

問1 

・陰関数を使って方程式を入力し,円のグラフを表す方程式であることを確認する。 

・グラフから円の中心と半径を求め,方程式を平方形で書き表す。 

・一般形と平方形の式の関係を確認し,まとめておく。 

問2 

・2乗の展開公式を確認して,問1の式を計算で平方形に直させる。

 
 
 
 

・画面のグラフから中心,半径を読み取らせる。 

・文字式の変形は示す程度に留める。

20分 問3 toi3.gps 

・方程式のグラフをGrapesで描いて,パラメーターnを変化させるとグラフがどのように変化するかを調べさせる。 

・円が描けるnの範囲を調べさせる。 

問4 

・問3の式を平方形に書き直して,円の図形ができる条件を考えさせる。 

・半径の2乗の値が正である条件を用いて,nの値の範囲を計算で求める。 

・問4のnの値をもとに,問3の結果を再確認する。

・Grapesを使って調べる。 
 

・半径の2乗の項の値の範囲に注目させる。

5分 ・授業ふりかえりシートを記入。
〔授業をふり返って−授業担当者のコメント−〕
 
担当者:小野田啓子
 
円の方程式(一般形)について,描かれたグラフを見て生徒が円を表すことを自分で確認してから,クラス全体で平方形と一般形の両方とも円を表す方程式となることをまとめた。
 
問2の平方完成は,変形を簡単に復習したあと各自取り組ませると,目の前にあるグラフで自分の計算結果を確認しながら熱心に計算をしていた。合っていると自信がついて計算が速くなり,間違えても画面のグラフをみて正解にたどり着くまで計算をやり直していた。
 
問3でパラメーターを自分で変えたとき,グラフの変化を見た生徒の驚きと,次に何が起こっているのか理解しようと真剣な目で取り組んでいる様子が大変印象的であった。
 
問4の円ができる条件は,全員で考えるかたちを取った。半径の2乗を表す数が0以下になっては円にならないという考えは生徒から出てきた。この条件を考えることが,この授業の最大のねらいである。「・問4のnの値をもとに,問3の結果を再確認する」ことは,この問題に対する自分の考えをふり返り見直すために大切なことである。一人一人がこのような活動をすることで,様々な理解の内面の変容と深化が行われると思われる。
 
コンピュータを使うことで,理解が助けられるというメリットは第一にあるが,一人一人の探求活動の幅が広がるという点も大きなメリットであると思われる。学習に対する新しい意欲が起きるのではないかと考える。